トラスロッドとは?仕組みや調整方法、レンチのサイズを知ろう!

GUITER
この記事から分かること
  • トラスロッドとは?
  • トラスロッドの種類、仕組み、調整方法
  • ネックの反る原因と反ることのデメリット
  • KTSとは?

 数あるギターパーツの中で、一見見ることができないけれどとても大事な存在である『トラスロッド』

今回はそんな縁の下の力持ちたる『トラスロッド』について、掘り下げていきたいと思います!

 トラスロッドとは?

中に入っている金属の棒がトラスロッド
中に入っている金属の棒がトラスロッド

トラスロッドとはギターやベースのネックに中に組み込まれた金属の棒のことです。

そのためギターを解体でもしない限り全体を見ることはできません。

しかし後述しているトラスロッドのタイプによってはネックの上部(ヘッド側)にトラスロッドを調整する穴があるのでそこを覗けばトラスロッドの一部分だけ見ることができます。

トラスロッドの役割

トラスロッドをネックの中に埋め込む理由は2つ。

  1. 補強
  2. 調整

ネックは時の経過とともに反ってしまったり、木材なので含まれている水分量の変化(湿度の変化)によって収縮したり膨張したりします。すると真っ直ぐに作られたはずのネックも次第に曲がってしまうのです。

それを防ぐために中に金属の棒を組み込むことによって強度を上げているのです。

調整に関しては後でさらに詳しく解説していきます。

ネックが反ってしまう理由

ギターのネックが次第に反ってしまうと言いましたが、なぜ反ってしまうのでしょうか。

実はその原因は弦にあります。

ギターは弦の張力(40㎏~70㎏の負荷)が強いので、ネックが張力に負けてだんだんと反ってきてしまうのです。弦はパツパツに張るのが当たり前なのでネックに掛かる負荷は相当なものになってしまいます。

 それを少しでも軽減してくれているのが『トラスロッド』なのです。

トラスロッドの種類

そんなトラスロッドにも種類があり『ノン・アジャスタブルタイプ』『アジャスタブルタイプ』の2種類に分かれています。

「アジャスト」が「調整」と言う意味なので『ノン・アジャスタブルタイプ』調整機能はない、いわゆるただの鉄心になります。

アジャスタブルタイプ』はネックが反ったときにこのトラスロッドの先端(下画像赤丸)についた調節ネジを回すことでトラスロッド自体を動かすことができ、ネックの反り具合を調整できるようになっています! 

アジャスタブルタイプのトラスロッド
アジャスタブルタイプのトラスロッド

ヘッド側に調整する穴が出ていることが多いですが、カバー(ロットカバー)がしてあり一見見えないものや、アコギやベースに多いのですが『エンド・アジャスト』と言うネックのお尻の部分に調整する穴があるタイプもあります。

ネックが反るデメリットとは

ネックが弦の張力に負けて反ってしまうと弦高(弦と指板との距離)が高くなってしまいます。

弦高が高くなってしまうと演奏する際に弾きにくくなり、弦がビビり(雑音)を起こしたり音程がくるってしまったり、演奏性だけでなく音にも影響が出てきてしまいます。

アジャスタブルタイプのトラスロッドが入っていない場合、一度反ってしまうと治りません。

ネックを丸ごと交換するか、ギター自体をもうおさらばしなくてはいけなくなります。

一方アジャスタブルタイプは調整可能なので多少の反りであれば簡単に治すことができます。

しかしトラスロッドの調整には慣れが必要なのでギターを壊さないか不安な方はお店やメーカーに頼んでみると良いでしょう。

アジャスタブルタイプの仕組み

ネックの反り具合を調整とはどういうことかというと・・・

下図のように、ネジを回すことで中のトラスロッド自体が反れるようにできています。

中に入っているトラスロッド自身が反れることで周りのネック(木材)が反って来たときに反対方向に反らせることで反り具合を中和することができるのです。

トラスロッド自体が反れるようになっている
トラスロッド自体が反れるようになっている

トラスロッドの調整方法とレンチのサイズ

アジャスタブルタイプのトラスロッドの調整方法をご紹介いたします。

調整方法は簡単でネック上部に出ている調整ネジを4mmのレンチで回すだけです。

回す方向によってトラスロッドの反る向きも変わってきます。弦を上側にした時にトラスロッドを時計周りに回す(しめる)とトラスロッドが逆反りに半時計周りに回す(ゆるめる)とトラスロッドが順反りになります。

なのでネックの反りとは逆方向に反らせないといけないので

ネックが順反っていた場合はトラスロッドを時計回りにしめてあげる

反対に逆反っていた場合はトラスロッドを反時計回りにゆるめて反りを戻してあげましょう!

トラスロッドの回す向き
トラスロッドの回す向き(画像のギターにトラスロッドがなくてごめんなさい。。)

アジャスタブルトラスロッドの種類

『アジャスタブルトラスロッド』(動かすことのできる方)には更に2種類に分かれます。

  1. 『デュアルアクションロッド(ダブルアクションロッド)』 2way Fenderでは、『バイブレックストラスロッド』といいます)
  2. 『シングルアクションロッド』 1way 

この違いは反ることのできる向きが

デュアルなら順反り逆反り2つとも対応

シングルなら順反りのみ対応という違いです!

となるとデュアルアクションロッド一択のように思いますが、デュアルにもデメリットが存在します。

豆知識

順反り逆反りとは?

順反りとはギターの本体に対してネックが上の向きに反っている状態を指します。

逆反りとはギターの本体に対してネックが下の向きに反っている状態を指します。

順反りと逆反りとは

この用語と向きは意外とこんがらがって忘れがちなので覚えておくと良いでしょう!

デュアルトラスロッドのデメリット

0から、+にも‐にも反ることのできる『デュアルアクショントラスロッド』ですが、

シングルに比べるとやはり金属の棒自体が太く、重くなってしまいます。

やはりネックの中の金属部分の割合が増えることにより音にも影響してきてしまうのです。

またデュアルトラスロッドは、シングルより動きの幅が大きいためネックに組み込む際の溝を、シングルよりも広く掘らなければなりません。

それにより、ネックに伝わる振動が伝わりにくくもなってしまうのです。。

デュアルタイプは、音の鳴りに関しては、あまり良くないのが現実です。

しかし両反りにも対応しているのは大きなメリットで、気候が激しく変化するような日本では、湿度や温度によって、逆反りすることは少なくなく捨てるに捨てきれない便利な機能なのです!!

ちなみに昔は、トラスロッド自体が入ってないのもあったようですし、トラスロッドが引っこ抜けて、表裏入れ替えることにより両反りに対応できるものなどもあったそうです!

デュアルトラスロッドのデメリットのまとめ
  • トラスロッドが太く重くなってしまう
  • ネックの中の空洞部分や金属部分が増えてしまう
  • 上記の理由によりネックの振動に邪魔が入ってしまい音が悪くなる

人気のKTSの補強材とは?

ネックに組み込まれるのは、トラスロッドとは別に、+で補強材が組み込まれているギターもあります。

それが、『KTSのTi‐Reinforcement』と呼ばれるチタンでできた補強材です!

トラスロッドの横に2本組み込まれ、

湿度や温度の影響にも強く、変形する圧力がかかっても、曲がりにくくなる代物です。

この『KTSの補強材が入っているギターを買いたい!』という方も、ちらほらいるくらいなんですよ!

チタン製ネックサポートロッド、トラスロッド | ギター・ベース用チタンパーツ(サドル、ブリッジ、他)のKTS
KTS が永年蓄積してきた冷間圧延加工技術により、高純度チタニウムワイヤーロッドから成形されたフラットバーはネック補強材としての最適な弾性を持ちます。 数万本に及ぶメーカーへの出荷、クレームゼロの実績を誇るKTS Ti-Reinforcement を、自信を持ってお奨めします。

コメント

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