【知識】ギターヘッドの種類とそれぞれの役割を理解しよう!スロテッドヘッドとは?

Acoustic Guiter

ギターのヘッドの部分にも様々な形があります。

尖っていたり、丸みを帯びていたり、穴が開いて居たり。

ペグの付いている場所も、全部上だったり、3個上3個下だったり、全部下だったり(リバースヘッド)メーカーによってヘッドの形は異なります。

しかし形はともあれ、ヘッドのタイプは2種類しかありません。

それは『角度の付いたヘッド』『段になっていて平行』になっているかです。

一体どういうことなのでしょうか。詳しく見ていきましょう!

ヘッドのタイプの違いと意味

ギターのヘッドには『段になって平行になっているもの』『角度の付いたもの』があるとご説明しました。↓こちらをご覧ください。

平行になっているヘッド(上)角度の付いたヘッド(下)
平行になっているヘッド(上)角度の付いたヘッド(下)

これにも意味があって形が2つ存在しています。

ヘッドの付け根のところには『ナット』と呼ばれる弦を支えているパーツがあります。

このナットがいわゆる0フレットの音程を決めています。フレットと同じ仕組みですね。

しかしナット(0フレット)の部分は他のフレットと違って常に弦と接触していますよね。ここが肝でしてナットの位置~ブリッジまでが、弦のスケール(張っている距離)になります!

↓ナットとかフレットが分からないよって人はこちらをどうぞ!

3分で分かる!ギターを始めるなら細かいパーツ名称と役割を覚えよう!

↓ペグについても詳しく書いています!

ギターペグの仕組みとは!歴史を見ると名前の由来も見えてくる!

ペグで固定している弦ですが、極端にいうとペグの部分は固定しているだけ、

ペグからブリッジまでの距離で音程が決まるわけではなく、繰り返しますがナットからブリッジまでの距離で0フレの音程は決まります!

(100%ではないので、ペグが音に影響していないわけではありません)

そしてペグではなくナットにしっかり弦が接触するためにヘッドには角度が存在します!

たとえば、段がなく平行だったり、角度もなくヘッドの高さがネックより高いとナットに弦が触れなくなってしまいますよね!

段もなく平行の場合(ネックよりヘッドのが高い)
段もなく平行の場合(ネックよりヘッドのが高い)

これだと、弦を張り替えるたびにペグ~ブリッジの距離が毎回微妙に変わってしまい音程が安定しません。ナットにしっかりテンション(張り具合)をかけるには、角度をつけたり、段にしてネックより低い位置に持ってこないといけないのです!

じゃあなぜ形は2種類あるのでしょう?

段付き平行と角度付き2つある理由

『角度付きヘッド』

最初に開発されたのは『角度付きのヘッド』です。これが昔から今でも多く使われている伝統的なヘッドの形になります。

角度をつけることによりナットへの負荷(良い意味での)は大きくかかるようになりました!

しかしこの方法は、生産性が少し悪くまた、技術的にも少し大変な作業になります。

【メリット】

・ナットへの負荷が均等にかかる(テンション・バランスに優れている)

【デメリット】

・生産性が悪い

・強度が少し劣る

主にアコギに使用されています。

そのあとに開発されたのが、

『段付き平行ヘッド』

 fender社が開発したこの平行型は、量産もしやすく、角度付きに比べると

木材をあまり加工せず使えるため、木目がまっすぐ通ることで強度もグンと増しました!

また平行段のほうには1、2弦のところに弦を抑える金具がついています。

1、2弦が遠いため弦の角度が浮いてしまうので、ナットにテンションがかかるように下に抑え込むためです!

1弦と2弦のところに弦を抑えるネジや金具
1弦と2弦のところに弦を抑えるネジや金具

【メリット】

・強度がある

・量産しやすい

【デメリット】

・ナットにかかる負担のバランスが少し悪い

主にエレキに使用されています。

やはりエレキの方が、アコギに比べると弦を強く張っているので、強度の高い平行が使われています。

スカーフジョイントとは

平行に比べると強度に劣る『角度付きヘッド』ですが、『スカーフジョイント』と呼ばれる技法を用いることで、強度を上げることに成功しています。

スカーフジョイント
スカーフジョイント

スカーフジョイントとはネックの部分にこのように放射線状に模様が入っているものです。

この模様は、材と材の境目であり、ヘッド部の材とネックの材を接合しています。

(2021/8/12 記事を一部訂正しました)

ガットギターのヘッド名称

アコギとガットギター(クラシックギター)はヘッド部分が大きく違いますよね??

同じ角度の付いたヘッドのタイプですがガットギターの方には大きく穴が開いています。

それぞれのヘッドの形にも名前が付いていて

アコギが『ノーマルヘッド』

ガットが『スロテッドヘッド』と言います!

ノーマルヘッド(左)とスロテッドヘッド(右)
ノーマルヘッド(左)とスロテッドヘッド(右)

アコギは言葉通りノーマルのヘッドですが、

ガットギターの『スロテッドヘッド』には、『スロット』と呼ばれる、縦に空いた空洞があります!

『スロット』があることで張力に耐えうる力は弱くなってしまいますが、ヘッドがグンと軽量化することができ、張力をあまり必要としないナイロン弦を使用するガットギターにはうってつけのヘッドの形なのです。

終わりに・・・

ヘッドにもメーカーの特徴が色濃く出ています!

形はメーカーによって洗練された形が使われ、ロゴやメーカー内のブランド名、裏にはシリアルや品番などたくさんの情報が詰まっている場所でもあります!

ペグの向きやヘッドの重量などもギターを選ぶポイントに入れてみてもいいかもしれません!

至らぬ点や不備がございましたら気軽にコメントいただけると嬉しいです!

コメント

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