【Ibanez】AZシリーズの特徴とは?スペックと機構を徹底レビュー

Electric Guiter
この記事からわかること
  • IbanezのAZシリーズの品番の意味
  • AZシリーズのスペックとおすすめポイント
  • エステック処理やH.A.P.がどのようなものかを詳しく解説

AZシリーズの品番を読み解く

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IbanezのAZシリーズは2018年に発売開始されたエレキギターのシリーズです。謳い文句はIbanezの技術をA〜Zまで詰め込んで作り上げられたプレイアビリティの高いエレキギター。それだけあって細かいパーツまでこだわりや良質なものを使って作られています。

そんなAZシリーズにはwebカタログに日本製であることを明記されているものと明記されていないものがあります。

AZ2402〜やAZ2204〜などの4桁数字が日本製、AZ242〜やAZ224〜などの3桁数字が日本製と明記がない海外製?となっています。

品番としてはAZは言わずもがなシリーズ名、最初の24や22がフレット数を表しているようです。

末尾数字の2(02)や4(04)はピックガードの有無によって分けられているようです。

AZ…シリーズ名

24…フレット数

02…ピックガードの有(02)無(04)

AZシリーズの木材

AZシリーズには種類によって使用されている木材は異なります。品番にも明記してあるものもあるので見ていきましょう。

まず通常のAZ〇〇〇〇シリーズはボディ材がアルダーという木材で作られています。

アルダー材は主にボディ材として使われる柔らかめの木材です。はっきりした木目はあまり出ず細く、ストレートな木目がよく出ます。音域としては中間で全体的にバランスが良い木材です。

AZ〇〇〇〇Fシリーズはボディ材がアルダー+トップに4mmのフレイムメイプル

メイプルは重めの材なのでボディ全体をメイプルで作ると重量が増してしまうためトップのみにあしらわれています。お馴染みのレスポールのトップ材もメイプルです。

木目が美しい材の1つなのでAZも木目が透けるサンバースト塗装となっています。サンバーストとはボディの周りとボディ内部の色がグラデーションのようになっている塗装のことを指します。

AZ〇〇〇〇Aはボディ材がアッシュ

アッシュも主にボディ材として使われるバランスの良い木材。アルダーに比べると重量は少しありますが強度は高まり、音域も高音から低音までバランス良く出てくれます。アルダーの中でも重量があるほど低音がよく響きます。

AZ〇〇〇〇Bはピックガードがブラックの違いだと思われます。通常のピックガードありは白色のピックガードが使われています。

AZ〇〇〇〇…ボディ材アルダー

AZ〇〇〇〇F…ボディ材アルダー+メイプル(4mm)

AZ〇〇〇〇A…ボディ材アッシュ

AZ〇〇〇〇B…ピックガードがブラック

AZのおすすめスペック

ここからは私が注目するAZシリーズのスペックを紹介していきたいと思います。

エステック処理

エステック処理とはセンダイテクノロジーウッドの略で「窒素加熱処理」が施された木材です。

魅力は人工的な薬剤を一切使っていないにもかかわらず、耐久性や形状安定性が優れていること。

このエステック処理が施された木材は防虫にも優れ薬剤がない分安全性にも優れ万能なため、床材や家屋など住宅関係で重宝されている木材です。

天然熱処理木材 エステックウッド総代理店 江間忠木材
エステックウッドとは、薬品を一切使用せず窒素加熱処理を行い、木の腐りやすい成分を分解。天然木でありながら屋外でも長期的に使用できる耐朽性が高い改質木材です。耐朽性・耐水性・保温・防腐・防虫・形状安定性に優れた特性を持っています。木を長く使う 木を大切に使うことで人と環境に優しい製品です。

ネック部分はこのエステック処理に加えオイルフィニッシュが施してあります。

オイルフィニッシュとはそのまま木材にオイルを染み込ませる塗装方法の1つでサラサラとした質感が特徴的。無駄に塗料を付与しないので重量も増えない木材ファーストな塗装方法です。

ラディアス(以下R)は305Rと中間的なRとなっています。180R〜400RくらいがよくあるR。

Rは大きい方が音のビリつきが発生しにくく、フィンガリングもしやすくなります。

なのでRの小さめが好きな人、大きめが好きな人両方にマッチできるように作られています。

このスペックから分かること

エステック処理やオイルフィニッシュから分かるのはネックに対しての丁重な扱いがみて取れます。

長く使っているとどうしても木材は湿気や経年劣化により形が変化したりしてしまいます。AZシリーズは木材になるべく負荷を与えないようにしており、長く使っていても変わらないネックの安定性を実現しているのでしょう。

ピックアップ

ピックアップはIbanezの独自のものではなく、有名なピックアップブランド『Seymour Duncan®社(セイモアダンカン)』と共同開発をしたオリジナルピックアップを使用しています。

パッシブピックアップ(外部の電源供給を必要としないPU)で磁石はアルニコ。アルニコ(Alnico)とはアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の合金です。数字が高いほど磁気が強くハッキリとした音立ちで高出力なのが特徴です。

配列はH-HS-S-Hの2パターン存在。

ハムバッカーにカバーがあるタイプもあります。カバーがあることで高音域に違いが出てきます。

金属製のカバーがあることにより磁界に影響が発生し高域を減退させる特徴があります。

この音の差は好き好き分かれますので聞き比べることをおすすめします。

dyna-MIX 9 switching system

スイッチングシステムは5点式のセレクターを使用しています。

ハムバッカーではコイルタップ(ハムの片側だけ並ぶ技術)を使用して音の出せるバリエーションを広げています。

コイルタップをすることでハムバッカーでもシングルコイルPUの音に出来るだけ近い音を鳴らすことができるようになります。

ですがそもそもハムバッカーはシングルコイルPUが2つ並んでいて1つを反転させてつけることによりノイズキャンセルをしています。

しかしコイルタップでは片側しか鳴らさないので多少ノイズが出やすくはなってしまうのが気になるポイントではあります。

◆AZ H-H配列 ピックアップの動き

AZ H-H ピックアップの動き
AZ H-H

◆AZ S-S-H配列 ピックアップの動き

AZ S-S-H ピックアップの動き
AZ S-S-H

Alter switch

アルタースイッチの導入によってさらにバリエーションを増やすことができます。

H-Hではコイルタップに改良を加えたパワータップという機能を実現。

パワータップとは通常のタップ機能+低音域を強調する機能がついています。

◆AZ H-H配列 アルタースイッチON時のピックアップの動き(青がパワータップ)

AZ H-H アルタースイッチON時のピックアップの動き
AZ H-H アルタースイッチON

S-S-Hではシングルコイルピックアップをシリーズ(直列)に繋ぐことでパワフルかつハムバッカーに近いサウンドをネック側(ネック側PU+ミドルPU)で再現。

ちなみにパラレルに繋いでいる時は出力が単純に2倍になっているわけではなく、音がブレンドされているので違いは明白です。

これは豆電球の実験をイメージすると掴みやすいです。

直列に電池を繋いだ時は灯りがより強く明るくなります。並列に繋いだ時は明るさはそこそこに長持ちします。これは並列の場合両方の電池から分散して電力供給しているからです。

◆AZ S-S-H配列 アルタースイッチON時のピックアップの動き(青がシリーズコネクト)

AZ S-S-H アルタースイッチON時のピックアップの動き
AZ S-S-H アルタースイッチON

マグナムロック

AZシリーズにはGOTOHのマグナムロックが採用されています。

マグナムロックとは弦の固定(巻き付け)を簡易的かつ安定性を高く固定できる機構

通常のペグ機構で有れば糸巻きと同じ仕組みでペグを回転させることによりポストに弦を巻き付けて固定していました。

しかし弦を巻き付けてている以上安定性と利便性には少し難があるのはギタープレイヤーなら誰でも思うことではないでしょうか。

しかしマグナムロックは弦を巻きつける必要がありません。

ペグを回すと弦を挟み込みロックしてくれるのでポストに弦を何重も巻きつける必要がなく見た目もスッキリします。

弦交換、安定性、見た目などメリットの多い機構なのでマグナムロックがついていると嬉しいですね!

H.A.P.(Height Adjustable Post)

ベグは可動式のH.A.P.(Height Adjustable Post)という機構が採用されています。

これはペグのポストの高さを調整できるように作られており、弦を巻きつける高さが変更できます。

ペグの裏側から6角レンチで回すことで中の固定ネジが動きロックが外れます。この段階ではまだ見た目に変化はありません。

その後にポスト部分を手で回すことで任意の高さに調整、その後再度6角レンチで回し固定するといった仕組みになっています。

ポストの高さを変更できることによって各弦の張り具合(ストリングテンション)を個々に調整できます。

低めにポストを設定すれば強いアタックが得られ、ストリングガイドでの補助に頼らなくともちょうど良い角度が保てるのでストリングガイドを取り外さことができます。

それにより弦に余分な金属が触れなくてすむのでチューニングにも安定感が増します。

高めにポストを設定すれば張り具合を和らげられるので弦を抑えやすくなります。

このポスト部分の高さを調整できるペグはあまり存在しないので、より厳密な音を求めるプレイヤーにぴったりのペグ機構がAZシリーズには標準装備されています。

AZシリーズのブリッジ

ブリッジはGOTOH製「510」をベースに改良したトレモロブリッジを採用。

トレモロブリッジとは付属のトレモロアームでブリッジごと揺らす(アーミングする)ことで弦の張り具合を微妙に変化させ、音を変化させる機構です。

しかしかつてはブリッジを動かし弦のテンションを可変するのでチューニングがズレやすく安定しないのがデメリットでした。

とはいえそこは数々のメーカーが様々な対処法を開発しているのでそこまで気にすることはなくなりました。

ボディシェイプ

IbanezのRGはホーン(カッタウェイの角のところ)が鋭利に尖っており全体的にカクカクした印象に対して、AZシリーズはホーン先端も丸く、ネックのジョイント部分も丸みを帯びた形状に加工してあります。

ボディバックのコンター(輪郭)カット(膝の上に乗る部分)は深めに加工してあるので座っている時の安定感も考えられて作られています。

AZオススメポイントまとめ

私が判断するIbanezのAZシリーズのオススメポイントを紹介してきました。

AZシリーズのおすすめポイント
  • 長く使うことを考えての設計
  • プレイヤーの使いやすさを重視
  • 音のバリエーションも豊富で汎用性が高い

良いお値段がするだけあって、あったら嬉しい機能が詰め込まれています。

AZシリーズをこれで少しでも知ってもらえれば嬉しいです。

テレキャス版AZ「AZS」

そんなAZシリーズには『AZS』シリーズが仲間入りしています。

AZSシリーズはいわゆるテレキャスターを形、特徴を模造したエレキギターです。

ボディ形状テレキャスと同じくシングルカッタウェイとなっており、ピックアップもテレキャスたる音の根源でまるプレート(エレベーションプレート)の上にマウントされています。

AZシリーズの良質なスペックはそのままに採用されておりIbanez好きだけどテレキャスターのような音が欲しかった人待望のギターとなっています。

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